昆虫外骨格の3D形態ロジック
昆虫が示す様々な外部形態(翅や肢、角などの外骨格形態)は、「上皮シートの折り畳み構造」である成虫原基が3次元的に伸展することで作られる。原基の伸展は非常に速く、その間、細胞の増殖・移動がほとんど起らないことから、成虫の外部構造は折り畳まれた状態でほぼ完成していると推察される。しかしその場合、「外部構造を折り畳んだ状態で作った後に、展開する」という驚異的な現象が起こっていることになるが、どのような折りたたみ構造を作れば特定の外部形態が作れるのか、「折り畳み構造」と「外部形態」の因果関係は分かっていない。本研究では、ショウジョウバエをモデルとした遺伝学的解析・ライブイメージング解析および数理モデルの構築を行うことで、折り畳まれた細胞シートから3D形態を構築するロジックの解明を目指す。本研究は、新学術領域「生物の3D形態を構築するロジック」(領域代表:近藤 滋 先生)(平成27〜31年度)において、共同研究により行っています。

Recent publications:
Ohsawa S, Sugimura K, Takino K, Xu T, Miyawaki A, Igaki T
Elimination of oncogenic neighbors by JNK-mediated engulfment in Drosophila.
Dev Cell, 20, 315-328 (2011)